曽根 敬夫
私は長年にわたって高速道路の建設および管理の現場において、安全管理の仕事に携わってまいりました。
そして、残念なことにその間には幾度か労働災害に遭遇し、この仕事に携わった当初はその度に自分の力が及ばなかったことを悔やみ落胆するとともに、普段は脚光を浴びることも褒められることもなく、事が起きた時には厳しい視線を浴びせられることの多いこの仕事に嫌気がさし、投げ出したいと思ったことが何度もありました。
しかし、私がこの仕事を投げ出したとしても、引き継いだ者が同じ思いをするだけですし、どんなに悔やんだとしても労働災害がなくなるわけでもありません。
悔んでいる間にも労働災害が発生するかも知れません。
そんな時間があれば少しでも現場に出向き、労働災害の発生を1件でも減らす努力をすることが安全管理という仕事を任された者の 責任であると、ある時気づかされ、その時から安全管理という仕事に向き合う姿勢が定まったような気がします。
そして、長年務めてきた会社を離れ、今後の進むべき道を考えた時、これまでの経験を活かし、労働災害を減らすための努力を続けることこそが自分に課せられた使命ではないかと思うようになり、この思いを具体的な形にするために労働安全コンサルタント事務所を開設するここといたしました。
長期的には我が国の労働災害は減少していると言われていますが、未だに1年間に千人を超える人が仕事中に命を落としています。
本人はもちろん無念であったでしょうし、その家族の思いを考えると労働災害の撲滅は、我が国産業界にとっても最優先の課題として捉え、そのための活動を継続していかなければならないと考えます。
又、安全管理の仕事に携わってきた者として、そのための一助となるようあらゆる努力をしていかなければならないとの思いでおります。
これまで多くの人たちに支えられ、安全管理の仕事をしてきた私でありますが、これからは今まで支えていただいた皆様への恩返しの意味も含め精一杯の努力をする所存でありますので、一層のご指導ご鞭撻いただきますようあらためてお願い申し上げたいと思います。
2016年4月1日
曽根労働安全コンサルタント事務所
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