安全第一のハナシ

「安全第一」の看板や横断幕は、危険作業を伴う現場では当たり前のように見ることができます。

しかし、この標語の語源を知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?

安全第一

1900年代初頭、アメリカ国内では不景気のあおりを受け、労働者たちは劣悪な環境の中で危険な業務に従事しており、その結果、多くの労働者が災害に見舞われていました。

当時、世界有数の規模を誇っていた製鉄会社、USスチールの社長であり熱心なキリスト教徒でもあったエルバート・ヘンリー・ゲーリーは労働災害の多発に心を痛めていました。

そこで彼は、当時の「生産第一、品質第二、安全第三」という会社の経営方針を抜本的に変革し、「安全第一、品質第二、生産第三」としました。

その結果、労働災害は大幅に減少したのはもちろんのこと、低下が心配されていた品質や生産性も向上しました。


このことから、この「安全第一」という標語はアメリカ本土に、そして世界中に広がり、時代を超えて受け継がれてきました。

「ハインリッヒの法則」

アメリカの労災保険会社の研究部長ハインリッヒ氏は、50万件以上の労 働災害事例について統計的に調べたところ、このうち重傷は約1,700件、軽傷約49,000件に対し、危うく傷害をまぬがれたものが約50万件であったことが判明しました。(1:29:300)

ハインリッヒの法則

安全管理に携わった人は、この「ハインリッヒの法則」を一度は聞いたことがあると思いますが、この法則はさまざまなことを私たちに教えてくれます。

私たちは、どうしても重大な事故に目を奪われがちですが、重大な事故を防止するには、軽微な事故やヒヤリ・ハットの段階で対策を講じなければならないこと、そして気付いていない事故につながる多くの危険が私たちの周りには存在しており、その顕在化していない危険の状態に目を向ける必要があることです。

もし、その危険を放置していると、「ヒヤリ・ハット」→「軽微な事故」→「重大な事故」へと成長していくことになります。

曽根労働安全コンサルタント事務所
 札幌市清田区清田十条4丁目12-1 / TEL : 090-7649-9631 / FAX : 011-827-5323
 営業時間 : 平日 9時 ~ 17時